広報ほどがや 2025年12月号 巻頭言

物価高から見つけよう!

パウロ ハー ミン トゥ神父

今年は、この地域に台風が少なかったせいか、春に見事に咲き誇った桜の葉っぱや蔦が今年はとても美しく紅葉し、その落ち葉が一年の最後を彩っています。秋の楽しみをゆっくり味わうことが出来ずに、雪が積もった地域もあります。冬の寒さの深まりと共に、2025年における最後の月を迎えましたが、私たちは静かな祈りと密やかな犠牲によって喜びと希望のうちに、教会の新しい典礼暦・A年になりました。
今年はこの一年間に「新語・流行語」としてノミネートされた10語から「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」という日本初の女性の首相の言葉が大賞に選ばれました。この発表について、大勢の人は興味深く感じているのではないでしょうか。
因みに、なるほどと思う言葉がたくさんノミネートされている中で、私は掲題の「物価高」推しです。言うまでもありませんが、物価上昇は世界的なレベルでのパンデミックや長年の不条理な戦争や天候異変や円高など、多くの要因が複雑に絡み合って起きるのです。最近、私たちの口からついつい出てしまう程、何年も上昇傾向が続いた上に一層の物価高で、私たちの生活は日々ますます大変になっています。月が変わるのが怖いほどです。元々日本は豊かで気候も温暖、治安もよく、生活水準も高く住み心地の良い国として諸外国からの出稼ぎ労働者が多いところでしたが、日本人自身にとっても次第に物価高が大きな問題になってきています。だから「私にできて、あなたには出来ないこともあり、あなたにできて、私には出来ないこともあります。だから、共に力を合わせれば、素晴らしいことが出来る」とマザー聖テレサの名言を通して、力を合わせれば、一つ一つ大変を乗り越えることが出来るのでしょう。
勿論、私たちキリスト者の一番の希望は「物価安」かつ「質の良い生活」ですが、その希望と共に教会の質も高くあってもらいたいと思います。何より私たち自身が質の良いキリスト者として信仰生活の質も良いものとしていかないと誰も魅力を感じないでしょう。昭和53年頃から日本人は、目に見える「物の豊かさ・高さ」だけでなく、目に見えない「心の豊かさ・高さ」が持続的な幸福につながるという精神的な生き方によって、正に質の良い生活を求めているのです。
「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。互いに思いを一つにし…」(ローマ12:15)というパウロの教えを実行しなければ、私たちは「この世の最大の不幸は貧しさや病ではありません。誰からも自分は必要とされていないと感じること」になるのです。
花が美しく咲き乱れているところにたくさんの蜂が自然に集ってくるように、私たちの教会も多くの人が関心を持って自然に集まってくるよう、どのように信仰を生きるか、どのようなサービスが喜ばれるのか、考えてみましょう。
私たち誰もが、日々に心が喜びと平和に満たされるため、心を開いて「大きな喜びを告げる。今日、あなたがたのために救い主がお生まれになった」(ルカ2:10—11)という希望の福音として天使のメッセージを受け取りましょう。
主のご降誕の慶びを申し上げます。おめでとうございます。

 

2026年2月6日 | カテゴリー : 巻頭言 | 投稿者 : 岩崎