温故知新
パウロ ハー ミン トゥ神父
流石に3月の声を聞きますと、急に周りが明るくなったような気がします。服装とともに心も少し軽くなり体が喜んでいるのが分かります。春は恐らく一番望まれる季節でしょう。芽生えの時、開花の時、日々の生活がしやすくなる時、この時を存分に楽しみましょう。とは言っても季節が行きつ戻りつする時でもあります。体調には十分気をつけましょう。
日本の国では雪の中から政治面での変化があり、新しい時代を感じさせられています。私は和暦、昭和に生まれましたが、平成を超え、令和の今を体験させて頂いています。62年と14日間続いた「根性・努力・我慢」の昭和時代は、人との繋がり、家族の絆が特徴だと思います。その後、時代の移り変わりと共に新しい価値観が産まれてきており、ワークライフバランスと言った言葉で表される社会になりつつあるようです。
基本的には、いつの時代も、過去の良いものを残し、大切なものを守りながら、新しい変化を逃げることなく時代にあったものを作り出していくことが必要です。大切なのは昭和や平成の善いものも残しながら、令和の新しさも受け入れること。変化を恐れず、適応できない伝統にこだわることなく、芯をもって前を向いて進むこと。正に「温故知新」という言葉を通して、今を生きている私たち一人ひとりに問いかけられているのです。
教会も、四旬節を通して、私たちの様々な関係性をよく見つめ直しながら、真の回心に導かれるように呼びかけています。主のご復活を新たな気持ちで、そして素直な心で迎えることは、信仰生活をより正しく、より強く生きることにもなるのです。3月は新しい教会運営組織の役員交代の時でもあります。これまで多くの先人が培ってきた良い遺産を守りながら新たなチャレンジをしていく時です。少しずつ新たなことに挑戦しつつ、何より多様性や共働という価値観が広まっている時代をしっかり意識して生きていきたいです。
「一本の木だけでは森は作れません」という諺の通り、この保土ヶ谷教会共同体は、一人ひとりの自覚と協力によって成り立っています。どんなに少子高齢社会の状況であっても、私たちは心を一つにして力を合わせ、更に「私は植え、アポロは注いだ、しかし、成長させてくださったのは神です。」(1コリント3:6-7)という一人ひとりの私たちの信仰を表す聖パウロの確信を通して「私たちは神のために力をあわせて働く者」(以上9節)なのです。
幸いなことに、私たちはシノドスを通して新しい経験をしてきました。「教会の生活における新たな歩みは、どれもが源泉への立ち帰りです」で始まるシノドス最終文書に記されているように「霊における会話を味わい、互いに耳を傾ける中で、私たちの間に主の現存を感じていました。聖霊をお与えになることによって、ご自分の民の間で、多様性の調和である一致へと駆り立て続けておられる方」の導きにすべてを委ねることが出来ますよう、心に深く留めていきましょう。