復活の主日(4月4日)の説教(テキスト)

皆さん、イエスのご復活おめでとうございます。

イエスが葬られたお墓が空になったということは、イエスが私たちの心の中に住んでおられて必要な時に現れてくださるということを意味します。

イエスが亡くなった後、イエスを深く愛していたある女性は泣き伏していました。イエスの死により彼女は夜の暗闇の中に一人放り出されたような気持ちになりました。死がすべてを打ち負かしてしまったという思いのまま、彼女はまだ朝の暗いうちから外へ出て、イエスが埋葬された墓へ様子を見に行きました。まだイエスの死を受け入れられなかったのです。しかし彼女が墓に到着すると、墓は空いていて中には何もなかったのです。そのことに驚いた女性、マグダラのマリア、は急いで戻り、弟子たちに「主が取り去られた」と告げたのです。

このマリアが朝早くから墓を見に行ったことに注目してみましょう。マリアはすべての女性の象徴です。イエスが現世に来られた使命のなかで、女性たちの役割はいつも特別なものがありました。聖母マリアをはじめイエスを取り巻く多くの女性たちの特徴は忠実であったということです。これは男性の弟子たちが、あのペトロですらも、意思が弱くイエスを裏切ってしまったことと対照的です。

聖母マリアやマグダラのマリアなど他の女性たちは、イエスが十字架につけられ殺され、墓に埋葬されるまで、決して見捨てませんでした。実際に人類の歴史をみるとこのように女性の方が忠実でした。マグダラのマリアは空っぽのイエスの墓を見て、イエスが復活すると言っていたことを思い出し、復活を現実のこととして実感したのです。空の墓は復活の証であり、奇跡です。マグダラのマリア、イエスを愛しその死を受け入れることができず、朝早く墓の様子を見に来たマグダラのマリアが、この復活の最初の目撃するという恵みをいただいたのです。

人生の中で空虚な気持ちになった時、苦しみの中に放り込まれた時、皆様はどうなさいますか? マグダラのマリアのようにイエスを探し求めますか? 人生の中で、悪い方向に向き始め希望を失いかけた時、それはイエスが皆さまの中にいて神様が現存する証であると思います。

皆様が希望をなくした時、そこには希望はあります。

チャンスがないと感じた時、そこにはチャンスがあります。

不安に思っている時、そこには癒しがあります。

見捨てられていると思った時、そこには愛情をもって抱きしめてくれる誰かがいます。

今のコロナの状態を含めて、私たちが苦しんでいる今、今日の復活の日は希望の日です。

皆様が人生の道を見失ってしまった時は、そこには皆様が進むべき新しい希望の道があります。すべては主が死から復活されたからです。死から復活することで暗闇に打ち勝ち、私たちに新たな人生を与えてくれます。イエスのご復活を心に保ち続けましょう。お墓が空だったように、ここに私たちの胸に、イエスがおられます。このご復活のロウソクはその印です。

 

2021年4月5日 | カテゴリー : 説教 | 投稿者 : HP編集者